第29章 明かされる過去~前編~*茶倉
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(んん…?)
どこまでも真っ暗な空間。
闇。
それがあたりを支配していた。
『優は…?』
どこからか声が聞こえてくる。
『もう体に異常はありません。ただ…』
(ただ?)
『意識が戻るかわからない状態です。』
(…?なんの話?)
『そんなっ…!なんで…!!』
(わかんない。)
何かもかも。
この声が悲しそうなのも。
この闇のことも。
自分が何者なのかさえ。
(まあ、いいや…)
考える気力も起きない。
(ファァ…もう寝よ……zzz)
そのまま眠りについた。