第25章 ようこそ、お客様*緑間
「ああ、無いわよ。ねっ、優。」
「はい…女子は少ないし、なるべく力になりたかったし…」
力になりたいか…全く茶倉らしいのだよ。
「はわわ!そんな優っちも素敵ッス!」
「はぁ?それじゃあ俺と回れねぇじゃねぇか!」
すかさず反応したのは、黄瀬と青峰。
相変わらずうるさいのだよ。
「んー絶対優勝できる確信があればいいんだけどね…あっ!」
何か思いついたように、にっこりと微笑む橘さん。
…この顔はいやな予感しかしないのだよ。
「あんたたち、ちょっと手伝って!一番売り上げに貢献した人に、優を貸してあげるわ!」
「え、私!?」
やっぱり…そんな気がしたのだよ…。
「でも服とか無いですし…」
「あ、衣装は用意してるわよ?ほら、優と回りたいんだったらさっさと着替えてくるのだー!」
パンパンに膨れた紙袋を渡し、更衣室へと連れて行った。
さすが橘さん。キセキ達を圧倒しているのだよ。
「あれ?桃井さんはいかないの?」
「それは、見てる方が楽しそうだと思いますし…!」
「それ、オレも同意!」
「いや、お前は働くのだよ!」
「ん、あいがあっあんあ?(何があったんだ)」
口にものを入れたまま話す火神。
こいつは相変わらず汚いのだよ。