第3章 家族〔陸&天〕
ずっと前に見た、治療を頑張った陸を撫でる天。
何年も経った今、こうして再び見ることが出来た。
「……弥澪、やっぱりどこか痛いの?」
再び溢れた涙に陸が尋ねてきた。
天は私の涙のわけを理解しているようで、そんな陸にそっと耳打ちをした。
すると二人はそれぞれベットの両脇に回り、同時に私を抱きしめていた。
陸は離さないように力強く、天は守るように優しく。
それぞれの思いがひしひしと伝わってくる。
「大丈夫!オレはいつだって笑顔でいられるから!」
「君の望むものをあげられるかは分からない。でも、ボクは君に笑顔でいてほしい」
「「大好きだよ」」
たったその一言が、私の涙を呼び寄せた。
今回何が解決したのかよく分からない。
でも、二人の温もりが苦しいほどに愛おしくて。
「私も……大好きだよ……陸、天」
このままずっと三人で生き続けていたいと、そう強く願ってしまうのだった。
〜終わり〜