第2章 ★愛すべきもの〔大和〕
中が擦れて身体中に快感が走る。
普段より奥に当たり、意識が飛びそうになってしまう。
やがて二度目の絶頂が訪れた。
しかし大和は動くのを止めようとはしない。
待ってほしいと頼めば、もう止めてやらないと言ったはずだと、そう返されてしまった。
「んあっ、やっ、激し、すぎっ……」
耳元で大和が何かを呟く。
何を言ったのか分からずに顔を傾けると口づけをされた。
触れ合う体が熱い。
その熱さに溺れそうになりながら、その日は動けなくなるまで体を重ね続けたのだった。
「大和さん?夕飯が出来ましたよ?」
扉の外から壮五くんの声が聞こえた。
私は大和の腕の中に抱かれながらぎゅっと目をつぶった。
扉には鍵がかかっていないので、今開けられたら困る。
そう思っていると大和の手が私の体を強く抱きしめた。
「俺今日夕飯いらねーわ。あとしばらく部屋に入ってこねーように、あいつらに言っといてくれ」
「……」
「……」
「……分かりました」
壮五くんの足音が少しずつ遠ざかっていく。
何故、と彼は聞いてこなかった。
多分私たちのことを気遣ってくれたんだろう。
けれどそれはつまり。
「壮五くんには完全にバレてるってことだよね……」
「ソウは簡単に他言しねーから安心しろって。まぁ、あいつが一人で抱え込んで後々面倒になるのは見えてるけどな」
「それ、余計に厄介なんじゃ……」
「ま、どうでもいいだろ。今はこうしているのが一番落ち着くしな」
「ちょっ、大和……耳くすぐったい……」
絆創膏の上から耳に触れられて僅かに身を縮める。
そうすると今度は同じ場所にキスをされた。
「俺の愛、受け取ったか?」
「……もう……大和の馬鹿……」
こんなことをされても彼を好きなことに変わりはない。
大和のことを好きになってしまったこれは運命なのだと、私は改めて感じるようになったのだった。
〜終わり〜