• テキストサイズ

アイナナ~当たり前すぎる日常〜

第1章 ★とりっくおあとりーと〔一織〕



ご褒美ですと言って彼はキスをくれた。
一織の首に腕を回すと、彼は少しだけ驚いた様子だったけれど、すぐに笑ってもう一度キスをしてくれた。


「弥澪、大好きですよ」

「私も……一織が大好き……ーーー」




















「え……ハロウィンイベント再演?」

「はいっ!ファンの方々からの催促が多くて、今度はもっと広いところでってことになりました」



紡ちゃんから新しいお仕事の話を聞いた私は唖然としてしまった。
つまり……あの地獄イベントを一織はまたやらなくてはならないということだ。



(大丈夫……じゃないよね?)



チラリと後方のメンバーを振り返ると、その中に固まった一織がいた。



(やっぱり無理だよね……!)



これはもう徹底的に精神力を養うしか対策はない。



(が、頑張れ……!)



胸の前で拳を作ってみせると、一織は耐えきれなくなったようにフラつき、そのまま気を失ってしまった。

あぁ、もうどうしよう。
神様、どうか一織を助けてあげてください。










結局、二回目のイベントも一織はアイドル根性で乗り切り、そしてまた抜け殻のようになってしまったのだった。



〜終わり〜

/ 101ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp