• テキストサイズ

落ちる、

第1章 食事から


車は川を越えて隣町にまで出ていた。
流れる音楽と一瞬に歌ったりしながら、岩本さんとの会話を楽しむ。
「夜景スポットを知ってるなんてお洒落ですね。」
「地元が近いからね。昔からちょっとは耳にするよ。」
「へぇー。」
地元が近いなんて話は初めて聞いた。
独り暮らしだと言うから、てっきり遠方なのかとばっかり。
「実家はどの辺りなんですか?」
「ここから車で1時間ちょっとかな。会社からだともうちょっとかかるか。」
「帰りやすくていいですね。」
あたしは新幹線で5時間はかかるから・・・羨ましい。
「帰ろうと思えばすぐなんだけど、実際はなかなか帰ってない親不孝者だなー。」
「親不孝だなんてそんな。」
「いやー、全然帰ってないよ。だってさ、実家で猫飼ってるんだけどね。猫が俺のこと覚えててくれなくて、俺のこと避けるぐらいだよ。」
「可哀想!」
車の中がにぎやかな笑い声で埋まった。
「猫いいですね。あたしも猫派です。」
「そうなんだ。猫いいよね。」
岩本さんが嬉しそうに答えた。
「可愛いですよね。」
「うんうん。」
/ 34ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp