第4章 それでも
「弱くいることは許されません。」
感情が口から漏れた。
「強くいなきゃ、生きていけません。」
噛み締めるように、言い聞かせるように。
「何も出来ないあたしなんて、死ねばいいんです。」
また両手を叩き付けそうな衝動を、寸でのところでぐっと押さえ込んだ。
全てをぶちまけてしまえたら楽だなんて嘘だ。
理解してもらえたら嬉しいなんて嘘だ。
こんなにも恥ずかしくて、許せなくて、死んでしまいたい。
「やっぱり岩本さんのこと、嫌いです。」
土足で踏み込まないで。
愛や理解の押し売りをしないで。
他人の優しさなんて。そんなもの。
嫌いだ。嫌いだ。
弱くなったら、甘えてしまったら、もう戻れない。
頑なで偏屈で、どこまでも優しい自分が、殺したいほど大嫌いだ!