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生涯の恋

第6章 〜神崎さん〜


話しながらいつの間にか涙が溢れて止まらなくなってた。



「あの長くて・・・強い腕に抱かれながら・・・

時間が止まれば・・良いのに・・って

本気で願いました・・・。」




声が詰まって話せなくなってしまうと神崎さんは



「潤は・・・幸せでしたね。」


とひとこと言って


微笑んだ




神崎さんのその笑顔が優しくて


思わず微笑み返してた





「あたし・・・潤との事、誰にも話してないんです・・・。



何でも話せる親友にも・・家族にも・・。



あたしと潤が付き合ってた事を知ってる人は・・・



あたしの周りにはいませんでした。」


「・・・・・・。」



「だから誰にも話せなくて・・・。」



「神崎さんに話せて良かったです。」





本当だった




神崎さんに話して




心が少し軽くなってた






「ちゃんと泣かせてやりたかった・・・と

潤がそう言ってました。」



「え・・・?」



「ホテルの部屋で会った、と聞きました。」



「すいません・・・。」



「最後まで俺の前では泣かなかったと・・・。」



「・・・・・・。」



「思いっ切り泣いて、めちゃめちゃに俺を責めてくれたら良かったと・・・。」



「・・・・・・。」



「あいつの心が少しでも軽くなるなら

どんなに汚い言葉で責められても受け止めたのに・・・と。」


「・・・・・・。」



「まぁ潤の勝手な言い分ですが・・・。」





神崎さんはそう言うと




少し寂しそうに遠くを見ていた


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