第12章 計画
夏炎の事を考え3年生全員と凛月は3-Aへ移動した
「なにか分かったか?」
レオの真剣な顔にいつも大声ではしゃぐ千秋が珍しく真剣になっていた
「悪い情報ばかりだ。あの転校生の前の名前が佐々木小姫…そして姉の名が佐々木陽菜だ」
《!!》
佐々木李里菜の名でみんなは驚いていた
「佐々木陽菜…」
「あの汚らわしい女の名を聞くとわね…」
「じゃあ姉の仇をとるために夏炎さんに復讐しにここに来たんじゃ!?」
「その可能性が高いな。それにしても苗字が変わったせいであいつの妹だとは気付かなかったとは…」
「母親が浮気の理由で離婚し新しい女と結婚したそうだ。それとあと一つ、佐々木陽菜は去年学校の屋上で飛降り自殺で亡くなっている」
「!…それが本当なら夏炎に復讐しに来たってことになるね。確かあいつ、あの時に妹の為に実行したって言ってたしねぇ」
「…リッツ、あっちの方は順調か?」
レオの問に凛月は笑って答えた
「順調だよ『王さま』。計画通りに進んでるよ」
「当たり前です!あちらには私の可愛い後輩がいるのですから!」
「となると…夏炎を安全な場所へ避難させた方がいいね」
「おれの家はダメだからな。るかたんを巻き込みたくないし、それにあいつはおれの家の場所突き止めてる可能性がある」
「じゃあ僕の別荘があるからそこにするかい?夢ノ咲学院から離れてるし、警備も整っているから安全な場所だよ」
「じゃあおれが『私なら大丈夫よレオ…』夏炎!?」
扉の前に立っている夏炎にみんなは驚いた
夏炎の後ろでは困った顔の嵐と慌てる司がいた
「『王さま』の所に行くって意地張っちゃって…」
「夏炎、あまり無茶は…」
『レオは私の為に無茶するでしょ?それにみんなも私の為に動いてるのに私だけ安全な場所で何もせず貴方達の戦いを見るなんて嫌…私にも戦わせてレオ!』
「夏炎…」
「月永、少しは赤坂にも戦わせてやれ。それにこの戦いで1歩踏み出すチャンスだと思うぜ」
「『王さま』も知ってるでしょ…誰よりも夏炎の性格を…」
『レオ…お願い』