第9章 本当の決意
Side瀬名
舞台終了後『王さま』は夏炎を抱いたまま何処かへ走っていった
俺は控え室で着替えていたらなるくんとかさくんがノックもせずに入ってきた
「ちょっとぉ、ノックしてから入ってよねぇ!」
「すみません瀬名先輩!」
「そんな事より夏炎ちゃんは!?」
「夏炎なら『王さま』が何処かへ連れてったよ
今は2人っきりにした方がいいと思うよぉ」
2人は黙り込んだ後理解したのか空いている椅子に座った
「それにしてもleaderの踊りや歌、演技力がすごい迫力でした」
「司ちゃんは初めて見たのよね。アタシも見たことあるけど、ダンスとか歌が上手かったわ」
「しかし気になっていたのですが、お姉様の事を「美歌の女王」と呼ばれているのですか?」
「歌やダンスをニコニコ動画とかYouTubeで撮ってたら有名人になったの」
「夏炎も『王さま』と同じくらい上手いからね〜」
《…凛月先輩/凛月ちゃん/くまくん!?》
姿が見えないと思ったらロッカーの中にいた
「ふぁあ…外凄いうるさかったんだけど何かあったの?」
「舞台に侵入者が来て大騒ぎになったのぉ、っていうかくまくんがやる役を俺がやるはめになったじゃないの!」
「あ〜ごめーん。すっかり忘れてた」
心のこもってない謝罪したくまくん
「その舞台が終わったってことは『王さま』もう旅に出たんじゃない?」
「そう思い止めるためにleaderを探していたんです!」
「別にいいんじゃない?秋には帰るって言ってたしぃ
それにあんた達が止めに行かなくても夏炎が止めると思うし」
「お姉様が?」
あいつは声には出さないけど顔で出すから分かりやすいからねぇ…
それから俺達がスタジオに戻っていた時には『王さま』と夏炎は衣装を着たまま寝ていた
手を繋いだまま…