第9章 本当の決意
舞台終了後、レオは夏炎を抱いたまま保健室へ走った
[保健室]
ガラッ!
保健室の扉を開けたが誰もいなかった
レオはベッドの方へ歩き夏炎をベッドに座らせた
「何処も怪我はないか!?」
『ないっ…ヒック…こわかっ…た…ヒック…』
「夏炎…」
泣き続ける夏炎にそっと抱きしめ背中を優しく叩いた
『ウッ…レオとっ…楽しい舞台っ…したかったのにっ…ヒック…私のせいで台無しにっ…ごめっ…』
「自分のせいにするな…それにおれは最後まで楽しかったぞ。それに昔の俺に戻って分かったんだ…」
『レオっ…』
「おれは仲間を犠牲にして『皇帝』と戦った。でも勝てなかった…気付けばボロボロになっていたけどおれは「Knights」を守りたかった…おれと夏炎の作った「Knights」は失いたくなかった」
『グス…今はセナやリッツ、ナルや司くんが「Knights」を守ってるよ?』
「その司って奴は知らないけど…あいつらが「Knights」を守ってくれたのは嬉しかったけど今の「Knights」は変わってた…おれの知らないユニットになってた…」
『「Knights」が変わったせいで自分の居場所が無くなるんじゃないかって怖いの?』
夏炎の言葉にレオは頷いた
「おれは怖くて逃げるかのように旅に出たんだと思う…」
『レオ…』
レオの話は悲しく聞こえ何か迷っているようにも聞こえた
夏炎は涙を拭いレオの左手を握った
『レオの居場所は私が守るから。だからもう行かないで…』
「夏炎…」
『何処にも行かないで…』
一粒の涙を流しレオの唇をキスをした
初めてしょっぱい味のキスだった