第13章 自分の気持ち*
ーードクンドクン。
私の鼓動が大きな音をたてている…まるで飛び出しそうな勢い。
「黄瀬君…?」
「あ〜ぁ。今日は言うつもりなかったのに…桜っちがそんな顔してるからもう我慢できないっス。」
「ど、どうしたの?いきなり?!」
「桜っちが火神っちと氷室さんの事名前で呼ぶのが気にくわない。ましてお揃いの指輪なんて絶対イヤだ。俺以外に優しくするのも笑顔を向けるのもぜーんぶイヤなんスよ。桜っちがさっき氷室さんに抱きしめられてチュウまでされてるの見たら自分でも笑っちゃうくらい頭痛くなった。なんでかわかる?」
桜っちが俺の腕の中で頭を横にフルフルさせている。これ言ってもわかんないなんて馬鹿すぎて笑えるわ…ちゃんと伝えろって事か…
「ホーント。鈍感ッスね……
桜っちの事が好きって事…」
「えっ……?」
よくわからない。私の事が好き?待って…思考回路がおかしくなる。今日はいろんな事がありすぎて頭がパンクしそうだ…なんか言わなきゃいけないのに言葉が出ない。
「アハハ。桜っち…顔真っ赤っスよ!ごめんね。急にこんな事言って…ホントは今日言うべきじゃなかったッスよね?氷室さんと会ったばっかで混乱してんのに…だから返事はまた今度聞かせて?」
私も好き。でもどうしてかこの言葉が出ない。
ただ黄瀬君の腕の中で頷く事しかできなかった…