第4章 本当の姿*
黄瀬くんのプレーを見てて
正直本当の所よくわからない、初めて見る彼のプレーはどこかで見たような気がする…ただひとつ言えるのは凄く綺麗だったって事だけ。
「正直わかりません…」
「えー!なんスかそれ!?ちゃんと見ててくれたんスか?」
「もちろん見てたよ!」
「じゃあこのダンクがカッコ良かったとか〜足速くてカッコイイー!バスケ上手とかないんスかー?!」
どうしてこの人は、こう残念なんだろう…バスケをしてる時は人が変わったみたいになる、私でさえ綺麗だと思うくらいだ。でもコートから出ると一転するお調子者。
「はぁ〜ないですね!そもそも足速いからとかでカッコ良いとか思わない。」
「そうなんスか!?」
「ただひとつ言えるのが、綺麗だった。それだけ」
そう言うと、黄瀬くんは少しビックリしたように目を見開いて何も言わずに私を見ていた。
***
「笠松、あの一年は、一体なんなんだ?」
「あぁ、小堀も知ってると思うけど桜蔭の元バスケ部マネージャーだった奴だ。」
「桜蔭って!あの全中三連覇した奇跡の女神がいた所か!?」
「そうだ、まさしくあいつが奇跡の女神だ。」
「俺は、あの子ならマネージャーに大歓迎だ!毎日あの子のために頑張ろう。」
「森山テメェはチームのために頑張れ!!」
「じゃああいつが、入ったら…」
「うちにはキセキ(奇跡)が二人いるって事だ。」