第18章 *未定
授業が全て終わり、部活が始まる頃になると朝の出来事は忘れてしまっていた。
今日は練習を少し早めに切り上げて、一軍メンバーとウィンターカップで当たるであろう他校の試合をビデオチェックをする日。
「笠松先輩、私DVD持ってきますね!」
「あぁ、頼む。」
廊下に出るとシーンとしていた。
他の部活は、まだ練習などしていてるし、部活をしていない生徒は、ほぼ帰宅していた。
教室に着き廊下に設置にしてあるロッカーを開ける。
「えっ…?なん…で?」
確かにDVDは、置いてあったが…
悲惨な形状に変わっていた。ケースも中に入ってるディスクもバリバリに割られていた。
「ッッ…!」
どうして?誰かがやったとしか思えない…
冷や汗が出る。落ち着こう。
それよりこれじゃあ映像のチェックできない…皆に迷惑をかけてしまう。
「なんでこんな事になっちゃったんだろう…?」
どうする事もできない。戻ったら謝って、とりあえず別のDVDがあったはずだから、それを見ようかな?色々考えていると、大好きな声が聞こえた。
「桜??」
「黄瀬君?!」
ビックリして、ロッカーを勢いよく閉めてしまった。
「遅かったから、様子見に来たんスけど…?なんかあった?」
心配した顔で私の顔を除く黄瀬君。
「う、ううん!!なんないよ!持ってこようと思ってたDVD忘れちゃったみたいなんだ…ごめんね。早く戻って皆にも謝らないと。」
そう言って部室に向かうとすると、黄瀬君に腕を掴まれた。
「桜?なんか、ウソついてないッスか?」
「えっ?どうして?そんな事ないよ?」
まともに黄瀬君の顔が見れない。
「ホントに?じゃあ、桜…こっち向いて?」
顔を上げて黄瀬君の見上げると悲しそうな顔をしていた。