第18章 *未定
教室に着くと、すぐに黄瀬君がこっちに駆け寄ってきた。
「おはよー桜!!」
「おはよう。黄瀬君。」
「おーい!キセくん、私もいるから!おはよっ!」
まりなが、飽きられた目をして黄瀬君を見る。
「ゴメン。ゴメン!まりなさんも、オハヨッ!」
今日は、一限目から移動教室だから、早く行かないと。
「朝から化学とかダルいなぁ〜。桜〜早く行くよー!」
まりなが、眠そうな顔で催促する。
「う、うんーごめん!ちょっと待ってね。」
あれ?おかしいな?確かに昨日化学の教科書机に入れておいたはずなんだけど…それとも家に忘れちゃったのかな?
「桜?教科書忘れたんスか?」
「う〜ん。そうみたい…」
「じゃあ、俺が見せてあげるッスよ!」
「うん。ありがとう…」
そう言ったけど何か突っかかる…私の勘違いかな?
「桜?どーしんスか?なんか元気ないッスよ?」
「えっ!?そんな事ないよ?元気だよー!」
「なら、良いんスけど…なんかあったら言って?」
「うん!黄瀬君も、まりなも早く行こう?!遅れちゃうよ!!」
二人の背中を押して教室を出る。
「桜…本当はなんかあったんじゃないの?」
黄瀬君に聞こえないように
まりなに、聞かれてビクッとした。
「本当に、なんもないよ?多分私の勘違いだから大丈夫!ごめんね…心配かけて。」
「なら、いいけど…」
「なーに、二人でコソコソしてるんスかー?まりなさん、ズルイッスよ!」
「うっさい!桜と私の間に入ろうなんて100年早い!!」
「なんスかー!それ!?」
二人を見てたらモヤモヤしてる気持ちが少しは軽くなった。
とりあえず今日家に帰れば教科書がないかわかる。
でも、なかったら…一体どうしてしまったんだろう…?