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【黒子のバスケ】瞳の奥の真実

第18章 *未定



「オレってそんなに頼りないッスかね…?」

黄瀬君が寂しそうに微笑む。

「そんな事ないよ!違う…」

「ゴメンね。ちょっとオレ心配しすぎッスよね?桜の事になると、つい考えすぎちゃうんスよ。」

「ごめんね。黄瀬君…」

そう言って私は、一度閉めたロッカーを開けてDVDを取って、黄瀬君に差し出した。

「これを取りに来たら…こんな事になってて…それで…ごめんなさい。今日映像チェックしないといけないのに、これじゃあ見れないよね…迷惑かけちゃって、ごめんなさい。」

黄瀬君は、DVDを手にしたまま何も言わない。沈黙に耐えきれず名前を呼ぶ。

「黄瀬くん?」

「なんだよこれ…?誰の仕業ッスか!!?」

静まり返った廊下に響き渡る。怒りと苛立ちを含んだような声だ。

「わからないの…」

どうして良いかわからず俯いてしまう。


誰がやったかは、わからないけど多分最近の下駄箱に入ってるメモに関係しているのかもしれない…
どのくらいそうしていたんだろう?10秒かもしれない、10分間もしれない。時間の感覚さえもわからなくなってきた。
するとフワっと優しい香りが近づいてくる。洗剤の匂いと少し汗の匂いもする。でも嫌な香りじゃない。

「桜…ゴメン。桜が悪いわけじゃないのに…大きな声出して。」

優しく抱きしめられ。耳元で優しく呟かれる。鼓動が徐々に増していく。怖かった気持ちもスーっと薄れていく。

「黄瀬君…良い匂いする。」

「あっ!汗臭くないスか!?ゴメン!」

そう言って離れようとする黄瀬君を抱き寄せてしまった。

「えっ!?」


ビックリしたような声が聞こえて私も恥ずかしくなってしまい、黄瀬君の胸に顔を埋める。

「臭くないよ?良い匂い。黄瀬君の匂いだもん…」

「あぁー!桜…そんなカワイイ事言わないで?」

そう言うと黄瀬君は、またギュッと抱きしめ返してくれた。




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