第15章 その瞳の正体*
日曜の午後。
私達は、大我達の試合を見に秀徳に向かった。
「結構、人いるんスね!」
「あぁ、注目されてる二校だからな!」
黄瀬君と笠松先輩が話している。なんだかんだ文句言ってたけど、楽しそうで良かった…
「さぁ、始まるっスよ!」
試合が始まる。まずは、成凛が試合の流れを掴む。しかし秀徳も黙っておらず、緑間君と高尾くんの絶妙なコンビネーションで徐々に追い上げてきた。第4Qには、秀徳が逆転してそのままリードを許さず…今回の試合は、秀徳の勝ちとなった。
「さすがですね…緑間くん達…」
「確かにな、こりゃあウィンターカップが楽しみだ!」
笑顔で話す森山先輩とは、反対に厳しい顔した笠松先輩がいた。それは、私も同じだったかもしれない…
「おぉー!海常さん達も来とったんかぁー!」
ん?この声知ってる、振り返ると…
「あっ!!腹黒メガネさん!」
(((おいっっ!!)))
「神白!!!」
笠松先輩におもいきり名前を呼ばれて我にかえる、ヤバい!!そう思った、そこにいたのは、桐皇の今吉さん、前に試合で青峰くんが今吉さんの事を腹黒メガネって言ってたのが印象深すぎて、つい口が滑ってしまった…
「す、すいません!!つい口が滑りました!」
「桜っち…わ、笑わせないで…クックッ…お腹痛い…ハハハハハ」
黄瀬君が凄い勢いで笑ってる…その横には怒りを我慢している笠松先輩が声を上げた。
「お前ら!いい加減にしやがれ!!」
「「すいません!!」」
黄瀬君と私は、二人で頭を下げる。
「ハッハッハ!おもろい奴らやな〜!青峰以外に言われるのは、新鮮や!」
「今吉、すまねぇな。うちの馬鹿二人が」
「ええよ!ええよ!ちなみにそっちの子が【奇跡の女神】の子やろ?うちの桃井が言っとたわ〜!凄い子やって。」
「いえ…私は…」
「謙遜する事ないでぇ?凄い事に変わりはないんやから…だけどな〜奇跡の女神がいようとウチには、関係ないわ〜!なんたって最強は、青峰や…青峰がいるウチは、最強やからな〜」
今吉さんが、不気味な笑みでニヤリと笑った…
最強は青峰?言ってくれるじゃないですか…うちにだって最強はいますよ?
「言ってくれっスね!!でもウチは、ゼッテー負けねぇっスよ!」
エースの黄瀬君が吠えた。