第15章 その瞳の正体*
青峰っちが最強なのは知ってる…でもそれを簡単に認められほど心広くないんスよ。
「黄瀬やめとけ!それは、冬わかるからな!行くぞ!お前ら!」
そう言ってその場を後にしようとした、あれ?桜っちが来ない
「桜っち?どうしたの?行こう?」
固まったまま動かない桜っち、一体どうしたんスか?
すると桜っちから思いがけない言葉が出てきた。
「最強は青峰くん?じゃあその考えが違ってるってわかるのもあと三ヶ月後ですね?言っときますけど、最強は海常でうちの黄瀬なんで!冬にきっちりお返しします!!」
俺たちは呆気に取られてしまった。桜っちは、急に突拍子もない事を言い出すんだから…でもホント嬉しい。
ー最強は、うちの黄瀬
いつもこうやって元気をくれて、桜っちの言葉は、魔法みたいだ。
「あぁ〜?誰が最強だって?」
この声は…
「青峰っち!!?桃っちも!来てたんスね!?」
「よぉ黄瀬。へぇ〜こいつが、さつきが言ってた奴か?」
青峰っちが桜っちの顔をまじまじと見る。
「ちょっとぉー!青峰くん!あんまりジロジロ見ないの!ごめんね。神白桜さん。」
桃っちがすかさずフォローする。
「えっ!?私の事、知ってるんですか?」
「もちろん!奇跡の女神さんでしょ?もぉーすっごい有名だもん!!」
やっぱ…桃っちも、桜っちの事知ってたんだ。でも、前から思ってたけどなんでそんなに桜っちは、有名なんスかね?さっきから青峰っちも、桜っちに、興味津々みたいだし。
「ふ〜ん。良いもん持ってじゃん?お前。おい、黄瀬!ちょっとコイツ借りるぞ」
良いもん?なんの事だ?そう言うと、青峰っちが、桜っちを引っ張ってどこかに行こうとする。
「何するんですか!?離して下さい!」
「ちょっと!待った!桜っちに何かあるんスか?」
俺は、桜っちの腕を、掴んでこっちに引き寄せた。
「気になるなら、お前も来いよ。」
「ちょっと!大ちゃん!いい加減にしてよ!」
桃っちも止めに入るけど、それを無視する。
わけもわからず俺と桜っちは、先輩達に挨拶をして、青峰っち達の後をついていく。
「一体なんなんスかね…?」