第14章 一生親友*
教室に戻り自分の席に着く。まりなの泣き顔を思い出す度、言いようのない気持ちが押し寄せてくる。
私何してんだろう…?
ーー
「桜は、ズルいよ。」
本当にその通りで、わかってないのは私の方だ…
「桜っち?どうしたの?」
そしていつだって、私を気にかけてくれて…声をかけてくれるのは、黄瀬君だ。
「黄瀬君。私…また、まりなに、ひどい事しちゃった。」
今日は、なんだか素直になれた…いつもなら、なんでもないって言ってたのに…
「何があったか、わかんないけど…まりなさんは、桜っちの事大好きだから、すぐ仲直りできるっスよ!」
そうだ…まりなは、いつだって私を支えてくれて、側にいてくれて、私を救ってくれる。
そして黄瀬君も同じだ、私があやふやでも優しくしてくれて、こうして私を励ましてくれる,自分の事は、自分で守れるって言ったくせに、いつの間にか私は、守られていたんだ…
「黄瀬君は、優しいね…」
「桜っちが、優しいから…俺も優しくできるんスよ?」
「私、優しくなんかないよ…」
「優しいっスよ!でも、俺が桜っちの事好きだからって言うのもあるけど。」
どうしてこの人は、サラッとこうゆう事が言えてしまうんだろう…正直に自分の気持ちを言える黄瀬君が好き。私にはできない事だ。
「そうゆう黄瀬君の正直な所、好きだよ…」
「えっ!?」
言った自分にハッとした。
それは、普通に会話をするかのように自然に口から漏れていた。
みるみるうちに恥ずかしい気持ちと、何を言ってしまったのかと、後悔の気持ちが渦巻く。