第2章 プロローグ トリップ!?
私の名前はベスティリア。
しがない会社員だった。
ただ、普通の人と違ったこと。
それは――――――ゲーマーだったことだ。
兄の影響でゲームを始めてから現在に至るまでもはや趣味と言えるゲームをやること。
その中でも特にRPG中でもテイルズシリーズは途中から始めたのにすっかり新作待ちをしている。
つい最近最新作のベルセリアが発売されて、ついこないだクリアしたところだった。
ベルセリアをプレイしていて、前作ゼスティリアとの共通点を見つけたので、
一度挫折してしまったゼスティリアをもう一度プレイしなおしている最中だった。
そんなある日
年の離れた従姉妹が海に行くというので、泳げないのに保護者代わりに同伴させられた。
万一に備えて一応自分用の浮輪も持った。
案の定従姉妹の浮輪が流されてしまい、溺れる彼女のもとへ私はマイ浮輪を片手に駆け付けた。
だが、溺れる人を助けるときは遠くから浮輪を投げるべきだった。
と今でも思う。
従姉妹に浮輪を奪われて、今度は私自身が溺れてしまった。
従姉妹は自分が助かるのに精一杯のようで私のことなど気付かない様子だった。
(だから泳げないって言ったのに・・・・・・溺れるのって苦しいんだよ。)
意識が遠のく中そんな恨み言を私は思っていた。
まさかそれが、この世界へトリップするきっかけになるなんて思いもしなかった。