第2章 【カルト】約束するね【閲覧注意】
まだ夏の暑さの残る初秋の週末…
今日は、アズサとカルトのデートの日。
まだ時刻は朝の7時前。
自然豊かな静かな公園の時計台の前で、お気に入りの白いワンピースを着たアズサは1人で立っていた。
無意識のうちに気合が入っていたようで、待ち合わせ時間の1時間以上も前に着いてしまったアズサは、待ち合わせ場所で、今日のデートの想像をしながら、密かに心を弾ませていた。
『大っきな湖のある公園に行って、2人でボートに乗った後は、ベンチに座って雑誌に載ってたあの有名なアイス屋さんのアイスを食べたり………うん、楽しみっ…。』
それから30分は経っただろうか…暫く経つと、2人組のガラの悪そうな男が公園に足を踏み込んで、遠くからアズサの方へと向かってきた。
『うわ……、目合わせないでおこ…。』
目を逸らして、気が付いていないフリをして、関わらないでというオーラを発していたが、2人組はアズサを挟むように横にやって来て陽気に話しかけてきた。
「ねぇ、かわい子ちゃんっ、今1人?もしかしてナンパ待ち?ならオレらと遊ぼーぜ。こんなシケた公園いないでさー。いい店知ってっから。ねっ?」
『……ナンパ待ちじゃないし。…ここで人待ってるんです。』
「えーなに、カレシ?でもさ、さっきからアンタ此処でずーっと待ってっけど、誰もこねーじゃん。へへッ…カレシ来ないんじゃね?」
『き、来ますからっ…。
私が予定より早く着いちゃっただけで……。』
「んじゃさー、まだ待ち合わせまで時間あるんじゃないのー?一緒に遊ぼうぜ。
ほら、コッチコッチ……」
『っ…ちょっと待って……!
や、離して……っ!』
男に腕を強く掴まれると、そのままグイグイと引き摺られるように、公園から少し歩いたところにある薄暗い森のようなところに連れていかれた。
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