第2章 【カルト】約束するね【閲覧注意】
「ダメ。」
「当たり前のこと言わせないで。」
血に塗れて泣きじゃくる男を、キッと睨み付けて見下ろすと、扇子を振り下ろして紙が舞、その時に身体に深い切り傷ができていった。
ガッ……!_____ブシュッ……
「お前は僕の大切な人に手を出したんだ。」
…ズシュッ…ッ…!!
「もっと報いて貰わないと。」
_____グチュ………ッ……
「もっともっと苦しめて殺さないと、僕の気が済まないんだ。」
拘束を解いてもらったアズサの手は、何度も何度も扇子を振り下ろしたカルトの着物の裾を引っ張って、必死に止めようと声をかけた。
『もういいよ…っカルト、やめて…!』
「…なんで?僕はまだ足りないよ。」
男は血だらけで項垂れたまま、反応がなくなっていたことに今頃気がつくと、目を丸くしてまじまじと様子を見ては、ゴミに向けるような視線を向けて小さく鼻で笑った。
「なんだ……もう死んでたの?」
「紙よりずっと脆いんだね。」
「…………これ以上は時間の無駄、か……。」