第1章 恋×愛
朝、スバルをバスに乗せて自転車で5分のとこにある小さな会社
少人数でやってるから融通も利いて頂ける
社長「今日から頼むな。仕事は、嫁の専務に聞いて」
『はい。よろしくお願いします。』
社長「おーい。紹介するわー。」
社長の一声で、外で準備してた人が事務所に集まった
あたしは、そのうちの一人を見てビックリした
社長「現場の○○に、△△、それと一番若手の渋谷。」
あたしは、初めて会ったふりをした
だって、すばるさんは気付いてへんかもやし
その後、専務に仕事を教わり
すばるさんと顔を合わすことなく帰宅した
スバルのお迎えに行き、スバルの名前を呼ぶ
愛おしい息子の名前・・・
今は、何の躊躇いもない
何事もなく日々過ぎた
仕事にも慣れて、社長とも他の従業員さんとも話すようになった
すばるさん以外は・・・
その日は、たまたま事務所にあたししか居なかった
「すんませーん。専務ー。機材のやつ・・・あれ?」
声のする方を見たら、すばるさんやった
『すみません。専務、急用でちょっと出てます。』
すばる「そうなんかー。あ、次の現場のリスト貰える?」
『これですかね?』
すばる「おう。それや。ありがとう。あ、そや。スーパーで俺と同じ名前の息子追いかけ回してママさんやんな?」
『気付いてたんですね・・・』
すばる「俺と名前一緒とか珍しいからな」
『そうですね。なかなかいてないですよねー』
すばる「あ、資料ありがとう。」
その瞬間手が触れた
お互い「あっ・・・」って
ドラマのような感じ・・・
時がその一瞬だけゆっくりと流れたような・・・
すばる「ほな。」
すばるさんの後ろ姿が、寂しそうに思えた