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歌を奏でて(詰め)

第6章 シーザー×ドーナツホール


「ふふふ、私だってこんなにも素敵な男性を放っておいたら綺麗な女性に捕られてしまうかも、それに私はそこまで可愛くは無いわよ」

「そうか?」

ゆっくりと椅子に座らされ、美味しそうに出来た食事がテーブルの上に並べられる。

時計は止まってはいなさそうだから…午前ね、朝食になるのかな?

懐かしい食事の匂い、空腹感は余り無いけれどシーザーが作ってくれた御飯は別物。

「相変わらずの腕前ね、シーザーは主夫に向いているんじゃあない?」

「仕事は奏がするのか? でも仕事場は男も居るし不安だからなぁ…俺が仕事をする方が満足かな」

「まぁ、それは勿体無いわね、御飯が不味くても文句は受け付けないわよ?」

「奏の作る飯なら不味くても本望だよ、味は丁度か? 薄かったら濃くも出来るが…」

手を進めながらシーザーは楽しそうに聞いてくる、あぁ、やっぱり…この人の笑顔を見ていると世界が何時も輝いて見えるわ。

彼は何か特別で、まるで違う世界の王子様みたい…なのにこんな私に手を差し伸べてくれるのは運命なのかしら。

「丁度良いわよ、私好みで美味しい」

なら、私は貴方の御姫様に成れているのかが心配で…満足してくれているのかが心配で。
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