第6章 シーザー×ドーナツホール
優しい彼は文句も言わずにしっかりと抱き締めてくれる、温かい…冷たくない何時ものシーザー。
「好きって言って…、ねぇ、私だけの優しいシーザー…、ん」
触れるだけの軽い口付けの後、笑顔で言ってくれるシーザーはやはり愛しくて堪らない。
「好きだ…いや、愛してるよ、奏」
何故、彼はこんなにも私に優しく接してくれるのだろうか…やはり私が【女性】と言う事も有るのだろうか?
私が【男性】ならば、シーザーは愛してくれなかったのかも知れない。
「…私が男性でも愛してくれた?」
可笑しな事を言っている私、何でこうも変な考えしか出来ないのだろうかと自分でも有る意味尊敬するぐらいだよ。
「ふっ、そうだな…奏が男だったとしても俺は、俺の方が惚れ込んでいたかもな」
「愛していないのは考えられないけど」
「シーザーは本当にスケコマシね、何だか私が男性だったら浮気されそうで怖いわ…女性だったとしても浮気されてるかも知れないけれど?」
意地悪そうな笑みを浮かべながら首を傾げると、少し焦った様に先程よりも強く抱き締めてきた。
「そんな事してたまるか! 奏が一番可愛いのに…こんなにも可愛い女の子を放っておいたら誰かに捕られてしまうだろう!」