第1章 遊園地
朝一で出たので道も前回ほど混んでなく、比較的スムーズにたどり着く事が出来た。
まだ遊園地は開園前。それでもゲートの前にはすでに沢山の人が並んでいた。
「うわぁ。やっぱり混んでるね」
見ると家族連れと同じくらいカップルが多い。
前に二人で来たときは片想いだったけれど、今は自分たちもカップルだ。
そう思ったら思わず顔が緩んでしまった。
「どうかした?」
「ううん。ほら、前来たときは私の片想いだったから、なんか嬉しくて」
恥ずかし気に言ったユメに、トランクスは目を細めた。
「片想いじゃなかったよ」
「え?」
思ってもみない返答に驚くユメ。
「あの時はもう、オレもユメのことが気になっていたから」
少し頬を赤くしてトランクスは言った。
「ほ、ホントに!?」
「我ながらつくづく軽い奴だと思う」
そう言って苦笑するトランクス。
ユメはというと、嬉しすぎて言葉をなくしていた。
「呆れた?」
ブンブンと頭を横に振るユメ。
「すごく……嬉しい!」
するとトランクスも嬉しそうに笑ってくれた。
「今日はずっと手をつないでようか」
「うん!」
満面の笑みで頷き、ユメは手を差し出した。
――その手のぬくもりは、初めて出逢ったときのことを思い出させた。
腰が抜けた自分を助けてくれた、彼の大きな手。
「トランクスの手、大きいね」
「そう? ユメの手が小さいんだよ」
そんな他愛のない会話をしていると、漸くゲートが開いた。
そして二人は再び遊園地に足を踏み入れた。