第22章 予定変更
「んぶぅー、ぷぁ!」
「ん〜、ミルク美味しいでしかぁン?そォお、良かったわねィん、いいコちゃんでしゅねィ〜ん、ハニィ〜ン」
「……」
「ぶぅ」
「あらン、そんな事言っちゃダメよン?ハナじゃないの、カ·クよ、カ·ク!」
「おい…」
「カク、ハリサをとって。この魚と芋のペースト、味がしない」
「…おい…」
「何言ってんのよン!何でもかんでもすぐ辛くしたがって、ホンットバカな舌してんだから!ちゃーんと魚と芋の味がするじゃない?」
「魚と芋の味はするよ。味付けの話。変な事言うな、ボン·クレー。そっちこそ舌がそんな大雑把だから何を料理しても雑になるんだ。味音痴」
「何よ、しっつれいしちゃうわねン!アチシはね!舌が剣山かハリネズミが舌かってくらいチックチクに鋭くってビックリするくらいナイスな味覚の持ち主なんだからねィん!?いい!?これにはチーズが入っている気がします!」
「…あー、そうじゃのう。確かに入っとる」
「ンね!!ホラ見なさいよン、バカヤン、聞いた!?これにはチーズが入っています!」
「ふーん」
「何よ、ふーんって!まだアチシの舌を疑うの!?」
「誰も疑っとらん。黙らんか」
「私も疑ってないよ。本当の事を言ってるだけだもの」
「ムッカつくわねィん!船に戻すわよ!?ガキ!」
「あんなずっと揺れてるものに誰が乗るもんか。私は揺れっぱなしで平気なほど適当に出来てないんだ」
「ゲロ吐き仕様のくせに繊細ぶっちゃって、よっく言うわねィん!?後始末もしないでトドみたいに寝っ転がってばっか!自慢じゃないけどねィん!?アチシの可愛い手下だってアンタのゲロ片付ける為にずっと掃除し続けるほどマメに出来ちゃないのよン!?このマーライオン!」
「止めんか。ものを食うとるときにする話じゃないぞ」
「そうだぞ、止めろ、味音痴」
「まだ言うか!よぉし、よく聞け!これには!青海苔がふってあります!」
「…青海苔…?」
「バカ、ボン·クレー、これは青海苔じゃない。コリアンダーだ」
「…コリアンダー?」
「バッカじゃないのン!?青海苔でしょ!」
「バカはお前だ。コリアンダーだよ、これは」
「青海苔!」
「コリアンダー!」
「ばぁぶう、ぶうぶうッ」
「…パセリを知らんのか、二人とも」
「パセリ?あらやだン、アレって食べられるのン?草じゃなーい」