第16章 買い物に付き合えば相手がわかる
真白なストローハットを被ったソマリーの頭に布地の角をコツンと当てて、ラビュルトが大股でレジに向かう。
「サシェ、つくったことないよ」
「だから母さんとつくるの。ハニーもセンセイも喜ぶよ。そしたらソマリーも嬉しくなっちゃうでしょ?」
「うん!」
「じゃ、がんばろ。アタシも張り切っちゃう!」
きゅっと山登りや料理で荒れた手を握って力むラビュルト。
キャップの庇を下げて、カクはかくしの手紙を弄った。
ラビュルト。
叶うならば、ワシはお前をどうでも連れて行きたい。
お前さんの何を知らんでも構わん。お前さんがただそのままそうしてくれていれば、他に何を望む事がある?
じゃがワシは連れて行けるだろうか。
これからワシの行くところへ、お前さんを。