第9章 二度目
添えられた手に柔く力が入る。舐め探られ、目がチカチカしたところを更にしごかれてカクは身を屈めてラビュルトの白い頭に手をかけた。
「や、やめんか・・・ッ、ワシャ、くッ、こんな真似は・・・して要らん・・・ッ」
「気持ち良くない?」
「やかましい・・・ッ、手ッ、手を放せ・・・ッ」
ラビュルトは肩をすくめて再び舌を使い始めた。先端の細い窪みを固い舌先で穿たれ、カクは大きく体を揺らして呻いた。
「ぐ、ばかたれ・・・、止めろと、言うとろう、が・・・ッ」
巧みに緩急をつけて上下するラビュルトの手の中で、深く呑んで舌を使い、吸い上げて来るラビュルトの口中で、ぐうっと己が膨らんで行くのを止めようがない。
痛いような快感にカクは目の前が白くなった。
「・・・うッ、あ、・・・クソ・・・ッ」
腰が痺れて堪らずラビュルトの頭を押さえつけた瞬間、弾けた。
「・・・はぁ・・・ッ」
腰が抜ける。
ラビュルトが顔を放した途端、カクはベッドへうつ伏せに倒れ込んだ。
肩と背中が荒い息に揺すられて大きく上下する。
「・・・ヤだった?」
傍らにスルリとラビュルトが寄り添ってきた。
カクは両肘の上に顔を伏せて呻いた。
「・・・ワシャようわからん」
「・・・ごめん。もうしない」
「・・・それもちょっと、ようわからん」
カクは顔を伏せたまま、ラビュルトを抱き寄せた。
「取り敢えずワシャ、負けず嫌いなんじゃ」
「あ、ちょっとヤ・・・あ・・・ッ」
ラビュルトの長い両腕を片手で頭上にまとめ上げ、カクはぐっと口角を上げた。
「このままじゃすまさんぞ。覚悟せえ」