第7章 山風とハリアー
「クライマーの跳び方じゃな」
感心して跳び過ぎるカクに追い付いてラビュルトはその手を握り締めた。
「アタシ、ホントにアンタが大好き。何でかわかんないけど、凄く好きだわ」
「理由なんぞ要らんわい。ワシにほめられて嬉しけりゃ、本物なんじゃろ」
ラビュルトの手に口を寄せて、カクはキャップの庇を下げた。
「跳んどるお前さんは、またえらく綺麗じゃ」
「アタシ、アンタにほめられるとますます自分が好きになるみたいよ?」
カクはフッと笑って、踏み切った。ラビュルトを連れて高く、高く跳ぶ。
「ワシャほめる程お前さんが綺麗に見える。困ったもんじゃな」