第4章 目合いーまぐわいー
これが女の身体なんじゃな。
見るのも触れるのも服の上からとは大違いだ。柔らかで丸みがあり、引き締まり方もしなやか、明らかに男の身体とは造りが違う。
・・・可愛らしくていかん。
裸で抱き合う素肌のきめ細かさに頭が逆上せる。自分の平らな胸に押し付けられた乳房の感触に目が眩んだ。
人肌がこうも良いものとは思わんかった。
抱き合いながら何度も唇を重ねるうち、ラビュルトが足を絡めて腰を反らせるような仕種を見せ始めた。
「・・・ふ・・・ぅ・・・」
口吻の隙間から甘えるような呻き声が漏れ、背中に回されたラビュルトの手に力が入る。誘うように反って逃げるその身体をよりきつく抱き締め、夢中で押さえ付ける自分が、ひどく汗ばんでいるのに初めて気付いた。
何じゃ、これは。
やはり汗ばんで吸い付いてくるラビュルトの背中を掌で確かめながら、カクは息を弾ませた。
食ってしまいたい。どうやって食えばいい?
比喩ではない。しなやかな身体のあちこちに口をつけたい衝動が理性を揺さぶる。
どうしたんじゃ。ワシャおかしくなっとる。
フと柔らかい唇に舌が触れた。
ぅむ・・・
下腹が痺れる。堪えきれず唇に舌を這わせた。
「あ」
かすれ声とともにラビュルトの口が僅かに開き、舌先と舌先が触れ合う。
いかん。
白くて薄荷と汗が匂うラビュルトの頭を抱え込み、カクはその口を割って深く舌を食い込ませた。
キレた。
舌と舌が擦れ合うぬめやかでザラついた感触に、思うより先に手が動いた。
背中を滑り降り、丸く滑らかな尻を撫で、更にその奥、ラビュルトの身体の中心に指を滑り込ませると、ぬるぬると温かい部分に触れる。
「・・・ッ・・・ぁ、は・・・ッ」
ビクッとラビュルトが腰を引いた。顔を見れば眉根を寄せて微笑み、苦痛に耐えるような、それでいて不思議に甘い表情で固く目を閉じている。溜め息がでるような顔。
カクはラビュルトの口中を舌で深く探りながら、柔らかく濡れた場所を指先で撫でた。
「くぅ・・・」
鼻にかかった喘ぎを洩らしてラビュルトがカクの首に手を巻き付ける。指先を探らせながら頬に触れた首筋に口をつけた。
甘噛みしながら舌を使い、筋をなぞるように舐め上げるとラビュルトが胸を大きく上下させて息を吐く。