第28章 ドフィとソマリー
「俺の目の前でギャーギャー揉めんじゃねえ」
「だってドフィ、このガキが…ッ!!」
「このコが悪いんだよ!アタシをバカバカ言うから!」
「どっちもどっちだ。俺ァ賑やかで派手なのァ好きだが、喧しいのは好かねえんだよ」
ドフラミンゴの言葉に、ソマオールとシュガーが顔を見合わせる。
どこがちがうの?
アタシに聞くんじゃないわよッ、わかる訳ないでしょ!?
むずかしいねえ、ナゾナゾみたい。
何呑気なコト言ってんのよ、バッカじゃない?
バカじゃないってば!ソーセージにするよ!?
どんだけソーセージが好きなのよ、アンタ!?
ソーセージは好きだけどアンタは好きじゃない!
わかってるから!聞いてないから、そんなの!
「ボソボソ何言ってやがんだ」
くっと眉を上げたドフラミンゴに、シュガーがひくっと笑った。
「何にも。仲直りしたの。ね、ソマっち!」
ソマオールの口がパカンと開いて、ピタッと閉まった。シュガーをマジマジと見て、ドフラミンゴをマジマジと見る。
「なかなおりしたの?」
「俺が知るかよ?違うのか、ソマオール?ええ?シュガー?」
フッと鼻を鳴らすドフラミンゴと目を瞬かせてコクコク頷くシュガーをまた見比べて、ソマオールは難しい顔をした。
誰が怖くて誰が怖くないのか。
ソマオールをここまで連れて来た男も何だか妙だった。
なんでおしゃぶりをくわえてたのかな、あのおじさん。
ジャンの知人にはボン·クレーのように変わった者も少なくない。それに慣れたソマオールは、父とラビュルトが招かれているパーティーに連れて行ってやると言った男を特に疑わなかった。先回りして驚かせてやろう、ベンサムとベンサムのベベにも会えるぞと言われたら、ワクワクせずにいられない。
ラビュはうちにいない。パパは台所で美味しいものを沢山作ってるけど、町で何の仕事をしてるんだろう。二人ともソマリーの知らないところで何をしてるのかな。何でソマリーはあんまり町に行っちゃダメなんだろう。ママの畑仕事のお手伝いは大好きだけど、パパやラビュのお手伝いはソマリーには出来ないのかな。
ドフィと目が合った。
サングラスなんか外せばいいのに。
にんまり笑う顔が楽しそうで、ソマリーまで何だか楽しくなる。
ソマリーはドフィがきらいじゃないな。