第28章 ドフィとソマリー
「レ・ショセッテゥ・デゥ・ラルシデュシェス・ソンテル・セシュ?アーシセシュ!」
大公夫人の靴下は乾いてるか?はい、超乾いてます!
「…知らねえよ。どっかのババァの靴下の事なんざ…」
「シ・トン・トントン・トン・トン・トントン・トン・トントン・スラ・トンデュ!」
もし、あなたのおじちゃんがあなたのおじちゃんを丸刈りにしたら、あなたのおじちゃんは坊主頭になります!
「俺の叔父貴はもとからハゲだ」
「アン・シャスー・サシャン・シャセ・ドワ・サヴァー・シャセ・サン・ソン・シアン!」
狩りが良く分かる狩猟家は犬なしで狩りが出来ないといけません!
ドフラミンゴは手の甲に載せた顎を上げ、にやりと笑って早口言葉に余念のない少女を見やった。
「狩りが巧ぇ狩人は犬を使うのが巧ぇ狩人だ。犬なしで狩りをするようなヤツァ狩りが巧ぇとは言わねえ。手前が犬になるヤツァ下の下だ。覚えとけ」
「ドフラミンゴは犬がキライ?」
元気よく聞かれてドフラミンゴは苦笑する。
「役に立つ犬は好きだ。役に立たねえ犬は要らねえ」
「狩人だから?」
「あぁ、そうだな。狩人は賢くて使える犬が好きなモンだ。馬鹿で使えねえ犬は始末する」
「ソーセージにしちゃうの!?」
「…オメェんちは犬をソーセージにすんのか?趣味悪ぃな」
「しないよ。でもお行儀悪い事すると、そうやって叱られるの。ソーセージにしちゃうよ、ラパン!カシュカシュ!って」
「ほう?ラパンとカシュカシュってぇ犬を飼ってんだな?いいコか、ラパンとカシュカシュは?」
「いいコなときもあるし悪いコなときもあるよ!ソマオールと同じなの」
ドフラミンゴは口角を上げて、ラビュルトの妹、ソマオール·エンダを手招きした。
はきはきして邪気のない、このまま育てばなかなか手強い跳ね返りになりそうな子供。頭も悪くなさそうだ。血の繋がりもないのにラビュルトを思わせる。
何の疑いもなく近付いて来たソマオールを膝に抱き上げ、大きな丸い目を覗き込む。
「オメェはご褒美を貰うクチか?それともソーセージになっちまうクチか?」
「ソマリーはソーセージにはなんないよ」
得意そうに鼻を擦って、ソマオールはドフラミンゴのサングラスの奥の目を無邪気に覗き返した。
「ソマリーはラビュルトみたいなお姉さんになるんだ。それでカクのお嫁さんになるの」
「カクか」