第3章 出会いのやり直し
ディーノside
さっきの言葉と笑顔に少し安心した。
結局、あれから話し込んでしまった。
夕方、まだそんなに暗くはないが寮まで送ることにした。
藤宮が車に乗るのを嫌がったため歩いている。
「ここまでで大丈夫です。」
藤宮が立ち止まった。
「ここが寮なんです。このドアの向こうはもうエントランスですから。」
「寮ってこれか!デカイなぁ。」
「ですよね。マンションやホテルと間違える方も居るんですよ。」
「じゃあ、ここまでだな。」
「送って下さってありがとうござい__
その時、エントランスのドアが開いた。
「 アユ先輩!!」
声の主は名前をよぶと同時に 藤宮に抱きついた。
「 アユ先輩、遅いから心配してたんですよ!」
「 うららちゃん。ごめんね、私、連絡しなかった?」
「来てないです。」
「ほんとだ、送信ボタン押してなかった。..ごめんね。」
「大丈夫です。.....それより、どうして貴方達がここにいるんですか?」
うららという少女にギロリと睨まれる。
彼女には確実に嫌われているようだ。
「送ってもらったの。ディーノさん、ロマーリオさん、ありがとうございました。それじゃあ、また。」
頭を下げて 藤宮が寮の中に入っていく。
「じゃあ、またなー!」
......と言っても、明後日また会うことになるんだが。
藤宮は知らないだろうな。
第4章へつづく