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土曜日19時32分。【リボーン/ディーノ】

第1章 はじまりのはじまり。



アユside


その日、私、 藤宮 アユは、今少し困っていた。

「あの、本当に、迷惑なので、通して、ください。」

駅前での用事を済ませ、学校の寮への帰宅途中、他校の生徒に声をかけられてしまったのだ。
あいにく、その日は助けてくれる友達もおらず私一人だった。

「えー、君あの女子校のこでしょ?いーじゃん連絡先教えてよ。俺の学校でも君んとこの高校有名だよ。通ってる子可愛くてレベル高いって。」

私の通っている高校は全寮制の学校で、外から見ればお上品なお嬢様女子校というイメージが強いらしい。
制服で出てきてしまったのが失敗であったのだろう。

「あの、私、急いで、、いて、、」

ザリ−

私が一歩後ろに下がり距離を取ると、他校の男子生徒は距離をつめる。

「あ、じゃあスマホ貸してよ。俺が入れてあげるからさ。」

「......結構です。」

小さな声で言う。

「は?聞こえないって。ほら、いーじゃん。」

そう言って私の腕を掴んだ。

バチッ−

私は鞄の中からスタンガンを取り出し、その男の身体に押し当てた。
それと同時に男の向こう側から声が聞こえた。

「おい、嫌がってる....だ.......ろ?」

その人が話し終わる前に、男はスタンガンの衝撃で地面にお腹を抱えて倒れこんだ。
声の主の顔が見えた。金髪の男の人だった。その後ろにはスーツを着た黒髪の男の人もいた。
その人たちは前の男が急に倒れたことに少し驚いた様子だった。

見られた。となんだか怖くなり私は走ってその場から逃げた。
そのまま学校の自分の寮の部屋に入ると安心して玄関でしゃがみ込んでしまった。

あれは正当防衛になるんだろうか、、、。そんなことを考えていた。

「.........もぅ、最悪。」
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