第1章 運命が変わった
制服から私服に着替えると、机の前に座った。
(よし、こんな気分の時は…。)
なんだか気分が上手くいかない時、私は
“ドリーム日記”をつけている。
いわゆる、“やりたいことノート”みたいなものだ。
「えっと…。生徒手帳用意しなきゃっと…あれ?」
無い、生徒手帳が無い!!
(ウソでしょ!?なんで無いの!?)
…いつもドリーム日記は生徒手帳に書いているのに。
その後、カバンの他、制服のポケットの中も探したが、見つからなかった。
(どうしよう、学校に落としたのかな)
そう思った瞬間、思い当たる節があることに気づいた。
(あっ!!)
今日の放課後、瑞希くんとぶつかった時だ。
(どうしよう…。もし中の日記を誰かに読まれたりなんかしたら…。
一刻も早く見つけに行かなくちゃ。)
とは言え、気がつけばもう午後6時。帰宅部の生徒はほとんど帰っているだろうし、すでに誰かに拾われてしまっている可能性もある。
(仕方ない、今日はあきらめるか…。)
その日、私はまだ誰かが拾っていない事を願って、いつもより早めに寝た。