第70章 デリバリーサンタ 一松
しばらく挿れたまま余韻に浸ってたんだけど…。
チンコを引き抜いた時に気がついた。
「あの、主……着けるの忘れて…中に…出しちゃった」
「……じゃあ、がんばって六つ子を産み育てます」
「ええーーっ!?」
たじろぐおれを、黒ニャンコを抱きしめながら睨みつけてくる。
「なに?責任取れないって?」
「いや、六人って多すぎるから」
「育ててくれた親に感謝しなさい」
「…はい」
でも、もし六つ子が産まれたら、それはそれで…
「幸せ…かも」
「え?」
「……なんでもない」
ティッシュで主のを拭いてから横になると、おれの腕にゴロンと頭を預けてきた。
「一松くんっ」
「…ん?」
「メリークリスマス」
「このタイミングで言う?それ」
おうむ返しを拒絶すれば、主はむくれてブスッとした。
それを見て喜ぶ悪趣味なおれ。
顔がニヤけそうになり、思わず目を逸らす。
「メリークリスマス!」
「はいはい」
「言ってよ!」
「おやすみ」
もういいと言って、ふてくされるお前の頭をそっと撫で、
「……メリークリスマス」
耳元で囁いておれは目を閉じた。
あー恥ずかしい。
恥ずかしいったらありゃしない。
さっさと寝て忘れよ…。
布団を首までかけると、
——ちゅっ
なんか頬に幸せな感触が。
つまりは、チューされた。
「一松くんだーーいすきっ!」
「なっ!?」
そしてすごい事言われた。
結局、一睡も出来ぬまま、朝を迎える一松なのだった。