第65章 ※ライジング思考スキーと呼ばないで 三男END
チョロ松視点
誰もいない我が家。
夕陽を灯り代わりにし、僕は一人、A4ノートに筆を走らせる。
(えーと、好印象を与える親への挨拶その5…とっ)
ノートの横には、ウェディング情報誌セクシィ。
べべべ別にっ!すぐにプロポーズとか結婚する訳じゃない!
この雑誌には式場選びだけでなく、親への挨拶マナーとかカップルの貯金事情とか、将来を見据える恋人達に必要な情報が満載なんだ。
今から読んでおいて損はない。
実は、父さんの知り合いの会社に就職が決まり、来月から入社することになった。
これを機に、主ちゃんのご両親に挨拶しようって決心したんだ。
来月になれば寮生活も始まるし、研修で慌しくなるから、きっと余裕なんて無くなって今より主ちゃんに会えなくなる。
だから、その前に挨拶だけでも済ませておきたかった。
…僕の中で、ケジメをつけたかった。
今までの自分にサヨナラして、今度こそ頑張るんだ。
そう決心し、挨拶を必死こいて考えていると、足音と共に襖が開いた。