第64章 ※トッティの葛藤 末弟END
「『でも』の続きは?」
「うーん……一度くらいなら、試してみても…いいかな…?あーでもなぁ……」
チラリと主ちゃんを見ると、可愛い瞳がボクを見ている。
「……キスしてくれたら、前向きに検討してもいいよ?」
「なにそれっ、変なのっ」
なんて言いながらも、頬を桃色に染めてボクにそっとキスをしてくれた。
離れようとした唇を、頭を押さえて捕まえる。
「ん……トッティ…?」
抱きしめると、スイーツと主ちゃんが混ざった甘い匂いがした。
二人きりになると、好きってキモチが溢れて止まらなくなっちゃうんだ。
一回くらいなら、兄さん達に合コン企画してやってもいいかな?
——恩を返す約束だったしね。
恩が何なのか全く思い出せないけれど。
ま、とりあえず今は、
「……いい?」
「……うん」
面倒なこと全部忘れて、主ちゃんとあまーい時間を過ごそう。
ねぇ、主ちゃん。
ボク、キミとならなんだって頑張れる。
二人でなら何でも出来そうって思える。
好きって気持ちって、こんなに幸せなんだね。
——ずっとずっと、傍にいるからね。
松野家の地上への架け橋、希望の星。
それが末っ子、松野トド松。
——おしまい——