第56章 お前がいないとだめなんだ カラ松
いや何を躊躇うカラ松!
愛しのハニーにこんなこと言われてしまっては、射精するしかないじゃないか!
なんのために仲直りをした?
(お前を幸せにするためだ!)
ゆっくり動き出せば、すぐに愛しい嬌声が溢れ出す。
オレを搾り取るかのように激しく蠢く膣壁。
たとえ全身の骨が折れてもチンコだけは折れまいと誓う。
「やっ…あっ!すごいっ!からまつくんっ!」
主もオレの腰の動きに合わせ、腰をグラインドさせる。
「ぅ…ぐっ!?」
今身体の奥からゴリュって音がした。たぶん内臓逝った。
しかしこの時、身体は不思議な反応を見せる。
「く…主…あぁ、すごい……っ!」
ついに身体がイカれてしまったのか、痛みすら快感になってゆく。
カラ松ボーイが今までにないくらい膨張し、主の最奥をゴリゴリと乱暴に犯してゆく。
死と隣り合わせのセックスで、極限まで感度が研ぎ澄まされ、エクスタシーが全身を駆け巡る!
「こわい…壊れそう…あっ、あぁっー!!」
壊れそうなのはオレだ。物理的な意味で。
だがもうオレは止まらない。ラストスパートまで一気に行く。
ハニーが腰を反らし、天井を仰ぎながら頂上に上り詰めたタイミングで——
「くっ……もう、出…グッハァッ!!??」
精子&吐血&魂を一度に放出し、オレは逝った。
・・・
翌朝、三途の川を渡りかけたが呼んでないから帰れと言われ、無事にオレは息を吹き返した。
主はオレがイク前に既に気絶しており、そのまま朝まで眠っていたらしい。目覚めたら、ハニーに覆い被さるようにして倒れていたから、窒息させなくて本当によかった。
ハニーはオレが死にかけたのも気づいていないようだった。吐血して出来た血のシミも、セックス中に傷が開いたとだけ説明し、必要以上に心配させないようにした。
そのまま主は仕事で家を出たが、一方のオレはというと身体のあちこちが痛み、身動きひとつ取れないまま、猫の格好の餌食となり、全身を爪研ぎにされている。
「いたーーい!おい子猫ちゃん傷口をえぐるなぁーっ!!」
だが、何はともあれ無事に仲直りできてよかった。
一度死んだからわかる。
孤独は死よりも辛い、と。
そして、死を乗り越えた二人の絆は、もう決して壊れることはない——と。