第56章 お前がいないとだめなんだ カラ松
考えすぎ?
フッ、道に迷わない人生なんて退屈だろう?
分かってるさ。
なんだかんだブラザー達は優しいし気の良い奴らだ。
オレはブラザーが必要だし、ブラザーだってきっとオレを必要としてくれるはず。
そんなの当たり前のはずなのに、なぜだろうな?
何を不安になっていたんだオレは。
たかが就活に失敗しただけで、自分を見失い、こんなにも大切な存在を傷つけて。
失いかけて大事さに気づくなんて、オレは愚かな男だ。
…さて、随分休んでしまったな。
ラブ&スウィートの再開だ。
「ありがとう。おかげで怪我が癒えた」
「そ、そんな能力ないけど」
傷つけてしまった分、身体で愛を表現しよう。
たくさんオレを感じて欲しいからな。
「…あ、いきなりっ…待って…っ!」
胸から顔を上げ、そのまま愛しい乳首に吸い付き、舌で転がす。
丹念に舌先で弾きながら、吸い付いて、噛んでを繰り返す。
とかく胸が弱いお前は、これだけで濡れてしまう。
指を滑らせ、下半身の敏感な部分に到達させると、既に下着は湿っていた。
「触ってないのにこんなに濡らして…」
「だ、だって…カラ松くんがいろんなことするから…」
「次は何して欲しい?」
「えっ」
ワザと意地悪く微笑むと、主は恥ずかしそうに眉根を寄せた。
「…そんなのっ、分からないよ」
「オレも久々だから分からないんだ。オレの手を、触れて欲しい所へ導いてくれないか?」
これは…好きな子ほどいじめたくなるという、小学生と同じ発想なのだろうか?
だとすれば、オレもおそ松のことを言えないな。
「できるだろう?」
「でもっ」
恥ずかしがる主の手を取り、指を絡ませる。
「教えて…」
そっと囁くと、主は観念したのか、頬を染めながらオレの手を感じる場所へと持ってゆく。
「……ここを触れって?」
オレは、ショーツ越しに小さな膨らみを指で掻いた。
正直胸かと思っていたが、早く繋がりたいのかもしれない。
寂しがらせた分、肌を重ねて安心したいのだろう。
溝に指を往復させるだけで布越しに膨らんできているのが分かる。
服と下着を脱がせようと手をかけると、主は腰を上げながら、めくるめく快楽を待ち侘びるかのように吐息を吐いた。