第54章 長男に松野家お呼ばれのちトランプ時々裏
(タオル敷いておいてマジでよかった……)
動かなくなった主ちゃんに服を着せ、毛布をかけてやった。
(っつーか、あんなにうるさくしても誰も起きてないのか…)
別にオナネタにするくらいなら、見せてやってもいいかもしれなくもない。
触らせるのはぜってー無理だけど。
(雑魚寝してるコイツらは、ドテラだしそのままでもいいか…)
ムラムラが収まらないので、トイレで出してこようと襖を開けた瞬間——
—ジリリリーーン…ジリリリーーン…—
「うえぇぇえーーっ!!??」
深夜の黒電話という、まさかのホラー展開に変な声が出た。
すると、電話のベルに反応して誰かが飛び起き、ものっすごい勢いで出て行った。
(だ、誰ーーーっ!?クソこえーーんだけどっ!!??)
恐る恐る聞き耳を立てると、玄関から早口で鬼気迫るような声が聞こえてくる。
「えぇっ!そんな馬鹿な…っ!?〇〇が今年最大の上げ幅!?さ、300ドルッ!?昨日急落したばかりだと言うのに!!うん、うん、わかった!すぐ行くっ!!」
そしてダッシュで家から出て行った。
・・・
…俺は、可愛い寝顔でスヤスヤと眠る主ちゃんの毛布に滑り込んだ。
考えてはダメだ。
考えるだけムダなんだ。
考えたらそこで試合終了だ。
——それが、十四松というジャンルなのだから……。