第53章 番外編 秘密の放課後 F6一松
主人公視点
わたしが通っているおそ松学園芸能専門学校は、日本で唯一の『びっくりするほどルックスのいい人間が集まる』BL制の学校だ。
顔面偏差値がそこそこなわたしは、ギリセーフで何とか入学する事ができた。
美男美女がひしめき合い、四方八方常に目の保養であふれ返る校内。
その中でも、一際注目を集めるのが松野家の六つ子だ。
彼らは赤塚不二夫財閥に属する六つ子で、不二夫の"F"を取って通称F6と呼ばれている。
学生でありながら、アイドル活動をしている彼らの人気は日本中…いや、世界中に轟き、今や一国家に匹敵する地位と権力を手に入れたともっぱらの噂だ。
「主見てっ!!F6よぉーーっ!!」
「ちょっと、腕引っ張らないで!」
リムジンから降り立ったのは、生きる伝説級の六つ子達。
毎朝登校してくるだけで、学校中大騒ぎだ。
赤髪は六つ子の長男にしてリーダー、爽やかジャスティス松野おそ松くん。
青髪の次男、肉を肉で巻いて食べる肉食系肉、松野カラ松くん。
緑髪は三男、ハーバード大学準教授(さぞかし多忙だろう)、ビューティージーニアス、松野チョロ松くん。
紫髪の四男、カリスマ的求心力、ミステリアスクール、松野一松くん。
金髪碧眼な五男、一万人切りの王子様、スイートプリンス、松野十四松くん。
ハジけるピンキーヘアーは末っ子、奇跡のルックス、キューティフェアリー、松野トド松くん。
六人は神がかったオーラを放ちながら、SPを引き連れ校舎へと入っていった。
「キャーッ!!今おそ松くんと目が合っちゃったーー!!」
「ふふっ、よかったね」
親友であるモブ代はおそ松くんの大ファンである。
おそ松くんの事となると、人格が壊れるくらい熱を上げている。
「でもあんたはいいよねー!なんたって、あの一松くんの」
「モブ代っ!!ここでは禁句!!」
「ごめんごめんっ」
わたしと一松くんの秘密を知っているのは、親友であるモブ代とF6の五人のみだ。
他の人には絶対に知られてはならない。
二人が恋人同士だという事は——。