第52章 番外編 神松育成ストーリー(読切逆ハー裏)
「……」
「……」
部屋に入ってきたのに、二人の声が聞こえなくなった。
おそらく、玄関で言い争っていた手前気まずいのだろう。
わたし達は息を潜めて様子を伺った。
すると、
「主ちゃーんただいマーーッスルッ!!」
「スイーツ買ってきたよっ!…っていないし!?」
(!!)
最悪なタイミングで十四松とトド松も帰ってきてしまった。
(ねぇ)
(…なに?)
耳元で囁き合う。
(おれ…イッてない)
(そ、そうだね)
(……イッてない)
いや、分かってるけれど今はムリだよ?ガマンして。
と言おうとした瞬間、
「っぁ……っ!!」
一松が律動を再開した。
押入れがギシギシ軋む。
(だめ…やめてっ、みんなにバレちゃうっ!)
(…あんたがガマンすればいいだけだし)
(そんなの…ムリ…だよぉ…っ)
「あれ?一松兄さんもいないね。シコ松兄さんはまだライブだろうけど…」
「一松にーさんさっき帰ってきたよー!だからぼく主ちゃんと留守番お願いしたんだー!」
「本当か十四松!?という事は、まさか二人してドロン!?」
「カラ松ドロンとかやめてー。ケンカした後笑うと疲れるから」
「ちょっと二人とも!ケンカって何!?」
四人の会話が聞こえる中、律動により微かに聞こえる卑猥な水音。
背徳感からなのか、わたしはまたイキそうになる。
(ダメダメダメ!!イク…イッちゃうよぉ…!)
「あ…ん…っ」
一瞬声が漏れると、一松がわたしの口を手で塞いだ。
(主…一緒にイクよ)
わたしが目に涙を溜め、声を押し殺しながら頷くと、一松は腰のピストンを早くした。
(いちまつっいちまつ……っ!!)
(主…!!)
滴り落ちる汗と共に、二人は人知れず押入れの中で深く絶頂を迎えた。