第52章 番外編 神松育成ストーリー(読切逆ハー裏)
息を吹きかけられ肩をビクンと震わせると、おそ松がわたしの肩を抱き寄せた。
「んだよトッティ。なーに二人でナイショ話してんの?また抜け駆けー?」
「やだなぁおそ松兄さん。ボクはただ、この後主ちゃんがヒマしてるのか聞いただけ。そうだよね、主ちゃん?」
わたしは無言で頷く。
「そーなの?じゃあウチくるー?なんちって!」
「……行く」
「へ!?」
おそ松が、ギョッとした顔でわたしを見ている。他の五人もまた然り。
いや、トド松だけはニッコリ可愛い笑顔を向けてきた。
わたしの弱みに付け込んだ、確信犯の笑顔。
「だってさ。どーする兄さん達?ボクは構わないけど」
「ち、ちょっと待て主!キミは本気で言っているのか!?」
カラ松が立ち上がった。
「言ってるよ…」
「ダメだ!レディーが夜に野郎六人の部屋に上がるなんて…!」
「いいの…いいって言ってるの!」
人の優しさに僅かでも触れただけで、胸の奥の寂しさが余計に増す。
「……もう一人は嫌…忘れたいの…」
「だからって、何も家に来る事は!」
「夜中、一人でベッドにいるとね…」
わたしは、肩を掴むおそ松の手を片手で握りしめながら、本音をポロポロと零していった。