第51章 本気で虐めちゃうけど…いいよね? トド松
トド松視点
今日はこれから、主ちゃんがウチに来るんだ。
旅行のおみやげを届けに来てくれるんだって。
ハロウィンでは散々な目に遭ったから、兄さん達は何が何でも家から追い出した。
全員に千円札をチラつかせて、パチンコなり競馬なり出かけてもらった。
五千円の出費は、未だにニートであるボクには手痛い打撃だったけれど仕方がない。
大好きな主ちゃんのためなら、こんな出費何回でも耐えられる!
いや…何回もは無理だから、もっと効率よく存在を消す方法を考えないと。
アイツら、何をしでかすか分かったもんじゃないし。
邪魔でしかないし。
それに、童貞達の執念は恐ろしすぎるって、身を持って知ったからね。
…話を戻そう。
主ちゃんはお友達と旅行をした一方、ボクとの旅行はまだ実現していない。
(へへっ、今日は具体的に話進めちゃおーっと)
ってなわけで待っている間、ボクはスマホで旅館を調べる事にした。
東京から近場で行きやすい所は…
(伊豆、箱根とか?あー秩父もいいよねぇ!でも、ご朱印集めするなら…)
ハァ…ワクワクドキドキが止まらないよ。
ボクって、けっこう一人で山登ったり滝見に行ったりするからさ。
こんな風に、趣味を彼女と共有出来るってとっても嬉しいなぁ。
なんて、一人でウキウキと旅行のプランを立てていたら、
—ピンポーン—
(きたっ!)
あっという間に約束の時間になっていた。