第46章 さて…本気を出すとしよう… カラ松
・・・
たんまりと二人の時間を過ごし、土産にもらった温泉マーク付きのクッキーを食べていたら十四松が帰ってきた。
「ただいマーッスル!あー!主ちゃんだーー!!」
「十四松くん、お邪魔してます!よかったらお土産食べて!」
「やったーー!!」
十四松…食べるのは構わないが、一度に10枚も口に入れるのはどうかと思うぞ?
他のブラザーにも食べさせたいのに…。
「十四まぁぁあつ?その辺にしておけー?そうだ、この曲を一緒に歌わないか?」
オレは、さっき屋根で歌った曲の歌詞を十四松に渡した。
「えーー?いーのー?」
「フッ、もちろんだ」
オレはおネンネさせていたマイギターを膝に乗せた。
「主、さっきの曲をもう一度聴いてくれないか?」
「へっ?あの、嬉しいけれど…」
「カラ松にーさーーん、ほんとーに歌うのー?ほんとのほんとのほんとのほんとーに?」
十四松は首を傾げながら何度も聞いてきた。
「なんでしつこい!?いいと言っているだろう!この曲は、お前の合いの手がないと味気なくて物足りないか」
「でもこの歌詞、クッソイタくて主ちゃんマジでドン引きしちゃうよー?」
「え……?」
じ、十四松…?
なぜ今オレの胸をえぐったじゅうしまぁぁあつ!?
「主…この曲って痛い…か?」
「イ、イタイって言われてもよく分からないかな…?あっ!はいっ十四松くん!こっちはチョコが入っていて美味しいよ!」
「うんまーーっ!!」
さっき、あんなにスウィートな時間を過ごしたと言うのに…。
(なんだこの寂しさっ!?この現実に引き戻された感なんなのっ!?)
オレの思いを知る事なく、主と十四松は談笑しながらクッキーを食べている。
(まぁいい…演奏はやめだ)
二人の笑顔を見ていたら自然と気持ちが切り替わり、オレもチョコの甘さを楽しむのだった…。