第44章 続・一松事変 〜作者リク作品〜
一松視点
今日は主が仕事休みって聞いていたから、昼過ぎに家に行ってみたけど留守だった。
突然押しかけて「きちゃった」ってのは、どうやら上手くいかないものらしい。
(一緒に猫缶あげに行こうと思ったのに…)
仕方なく一人で猫に会いに行く事にした。
休みの日、おれを放ったらかして一体どこに行ってんの?
おれより大事な用事なんてある?
——あるか。
むしろ、おれなんかより大事じゃない用事なんてないよね。
はい出ました、またこのパターン。
何回この思考展開になるんだ?
だけど、自己肯定感が低いのなんて簡単には治せない。
一度考え出すと、とことん底なし沼のように堕ちていく。
アイツと会ってから、自分のこーゆーとこマシになったかなって思っていたけれど…余計酷くなったかも。
寂しい。
不安にさせないで。
こんなに想ってるのに。
ぼくを置いてどこに行ったの?
主。
・・・
猫と遊んだ後、夕方また家に遊びに行こうと思った。
そろそろ帰ってる頃かなって思って。
だから、家で一緒に観るDVDを借りにヅダヤに寄ったんだけど。
おれは見てしまった。
——クソ松と一緒にいる主の姿を。