第43章 ※十四松に音楽会を 〜作者リク作品〜
そして翌朝…
「なーーーいっ!!ないないないなないなーーーいっ!!」
十四松兄さんのやっかましい声で、ボク達は目覚めた。
「もう…朝から何?うるさいよ十四松にいさ…ってコレ誰か解いてーー!!」
ボクは縛られたまま眠っていた。
あーあ、アザになっちゃってるよ!ボクの大事な身体になにしてくれちゃってんの?
「解けって!おい起きろ!起きてー!」
「ん?う、ん…」
ボクが怒鳴りながら救いを求めると、寝ぼけながらも隣で眠っていたカラ松兄さんがスルスルと解いてくれた。
いつもより早く起こされ、寝ぼけ眼なボクらをよそに、十四松兄さんは部屋中をガチャガチャ漁りだす。
そして、
「ふんぬーっ!!」
「うわーーーっ!?」
ボクらが寝ていた布団をいきなりひっくり返した。
みんなで雪崩のように押入れにぶつかる。
「オイコラ十四松ー!朝っぱらからいいかげんにしろっ!」
寝起きはテンション低いおそ松兄さんが、珍しく怒鳴っている。
「だって、ないよーー!!ないんだよーーー!!!!うわあぁぁぁあんっ!!」
十四松兄さんは滝のように涙を流し始めた。
「十四松兄さんっ、一体何が見つからないの?」
「チケットが、主ちゃんから貰ったチケットがないんだよぉぉぉ!!」
「あぁ、握りしめていた招待券の事ね!」
ボクがそう言うと、十四松兄さんはピタッと泣き止み、中身のない笑顔になった。
「ねぇ、みんな…盗ってないよね?」
(ヒッ、ヒイィィィイーー!?)
十四松兄さんは、主ちゃんの事となるとクッソ怖くなる。
5人は恐怖で寄り添いあった。
「ぼくの招待券…盗ってないよねぇ?」
恐怖で身体がガタガタ震え出す。
寝起きからこんなホラー、誰も求めていない。