第40章 番外編 F6 十四松先生と二重奏を 第三楽章
主人公視点
一週間後、地区大会に出場し無事金賞を受賞。
成績一位で県大会出場を決めた。
そして、県大会も見事に通過。
そんなこんなで、途中松野先生が甲子園球場に行ったっきり帰って来ずヘリが出動したり、長年うちの部に来てくれていたコーチ松が急死したり、遠征先で宿泊したホテルの管理人がF6の泊まっている部屋に侵入したりと紆余曲折を経て、わたし達は順調に結果を残し、ついに!ついに…!
全国大会にまで上り詰めた!!
(すごい人だかり!)
全国大会の開催地であるフジオ会館に降り立つと、わたしはすっかりピリピリした雰囲気にのまれていた。
いや、原因はもう一つある。
それはいつもの事だけど。
F6がいるというだけで、コンクール会場に、アイドルのコンサートさながらな人、人、人が押し寄せるのだ。
しかも今年は、F6が揃う高校三年生最後のコンクールであり、念願の全国大会。
追っかけはいつもの倍以上に膨らみ、会場は人でごった返していた。
ただの吹奏楽コンクールなのに、チケット売りのダフ屋まで出回る始末。
マスコミ関係も好機とばかりに押し寄せる。
おそらく、吹奏楽連盟にとってはいい迷惑だろう。
だが、赤塚不二夫財閥に属する彼らには、誰も何も文句を言えない。
そして案の定、人の波がわたし達の行く手を阻んだ。
『エーフシーックス!エーフシーックス!』
「おそ松くん!全国大会出場への意気込みは!あと、ファンに何か一言!!」
「十四松先生!一万人斬りというのは本当なんですか!?そこの所白黒ハッキリしてください!」
止むことのないF6コールに、マスコミのインタビュー。
(っていうか、わたしこんなすごい人達と学生生活送っていたんだ…)
あっけに取られる部員達。
このままでは、リハーサルの時間に間に合わない。
そこで動き出すのは、やはりF6だ。